2013年10月20日日曜日

【狛犬アルバム】天現寺(東京都港区南麻布)


 この日は、東京の「狛虎」を巡りました。いずれも山の手線の中にあり、江戸時代から有名だったそうです。まずは、高級住宅地として知られる南麻布にある天現寺からスタートです。2013年10月に訪問しました。

◆「【狛犬の仲間たち】1-6. 虎

<設置されている場所>
待合室の前

<台座の年号>
明和三年(1766年)




 まず見つけたのが低い台座に乗る一対の狛虎でした。待合室の入り口の左右に置かれていました。阿吽の配置は逆で、向かって右側に吽形、左側に阿形が置かれています。

 阿形は虎というより猫のようで、顔も平面的で、閉じた口元も波状になっていて愛嬌があります。態勢は左の前脚をやや引いてこちらのほうをじっと見ています。一方吽形のほうは、正面を見据えており、顔つきも立体的で表情に力強さを感じます。また肩甲骨をぐっとせりあげた姿勢も生き生きとしていました。

 阿形の耳はちょこんと頭の上に立っているのですが、吽形の耳は後ろに向けて伏せています。このように阿吽でかなり作りが異なっているのですが、まっすぐに通った鼻筋は共通でした。この鼻の作りが人面っぽく見せているのかもしれません。


<設置されている場所>
多聞天の前

<台座の年号>
天保六年(1835年)




 お堂の前には黒っぽい狛虎がいました。まず目を引くのが、縞の彫りの美しさです。湖面の波紋のような模様で巧みに虎の縞模様を表現しています。また、一度立ち上がり、手前のほうへ流れる太い尻尾の曲線も見事です。

 大きさは中くらいですが、爪は鋭く、ともに肩甲骨を上げた構えの姿勢で力強さがあります。一方で顔つきはふっくらとしていて、優しい表情をしており、全体的には優美さを感じます。

 訪れた日は残暑が残る熱い日だったのですが、法事のために礼服を着た西洋人らしき親子がいました。さすが広尾は国際的だなあと思いつつ、カメラのシャッターを切ったのでした。

<基本情報>
天現寺
東京都港区南麻布4-2-35


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<関連サイト>
◆「神使 - 狛犬でない狛犬(最古の狛犬シリーズ)」(日本参道狛犬研究会ホームページ)
◆「憧れていた虎、天現寺@港区南麻布」(市中見廻☆落・狛な日々)