2011年3月10日木曜日

【狛犬アルバム】清水寺(京都市東山区清水)


 修学旅行生や観光客で賑わう清水寺にも狛犬がいます。非常に大きく存在感があるのですが、気づいて写真を撮ろうとする人はほとんど見かけません。かく言う私もここを訪れたのは4回目ですが、はじめの2回は狛犬の存在に気づきませんでした。2009年11月と2011年2月に訪問しています。

<設置されている場所>
仁王門の前

<台座の年号>
なし




 この狛犬はいわゆる東大寺南大門型といわれるタイプです。両方とも阿形で、胸に瓔珞(ようらく)といわれるベルト飾りを付けているところから、正確には狛犬ではなく、中国獅子に分類されます。口元が角張っていて、直線的に彫り込まれたや歯が特徴的です。また、台座には年号が刻まれていません。明治44年に金胴製の中国獅子が寄進されたものの、戦時下の昭和17年に金属供出のために接収され、昭和19年に今の狛犬が再建されたとの見方が有力です。詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。

◆「狛犬探偵団 - 第2章 清水寺の狛犬」(狛犬について私の知っている2、3の事柄)

 なぜ寺に狛犬がいるかというと、よくわかりません。本堂のすぐ隣に地主神社という神社があり、明治以前の神仏習合の時代には、地主神社は清水寺の一部でした。そのためこれは地主神社の狛犬という説があり、いろいろなサイトで紹介されていました。

◆「目指せ京都通! 世界遺産のおもしろポイント」(AllAbout) - 清水寺の七不思議についての解説もあります。

 ただ、設置されている位置から考えても、地主神社の狛犬というよりも清水寺の仁王門前とセットであり、神仏習合の名残から清水寺の狛犬として寄進されたというのが私には自然な考えに思えるのですが、どうなのでしょう。

 ちなみに、地主神社の本殿前に運慶作といわれる木製の神殿狛犬がいるようですが、行った当時は知りませんでした。これでまた清水寺、地主神社を訪れなくてはいけなくなりました(笑)。

◆「地主物語(冬) 狛犬(こまいぬ) 運慶 快慶」(京都地主神社)

<基本情報>
清水寺
京都府京都市東山区清水1-294


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<関連サイト>
◆「清水寺」(公式ホームページ)
◆「清水寺」(Wikipedia)
◆「狛犬探偵団 - 第2章 清水寺の狛犬」(狛犬について私の知っている2、3の事柄)
◆「目指せ京都通! 世界遺産のおもしろポイント」(AllAbout)
◆「地主物語(冬) 狛犬(こまいぬ) 運慶 快慶」(京都地主神社)

【狛犬アルバム】錦天満宮(京都市中央区新京極通四条上ル中之町)


 京都の台所といわれる錦市場の東の端、新京極商店街につきあたるところに錦天満宮があります。ここには狛犬は二対いました。2011年2月に訪問しました。

<設置されている場所>
入り口の前

<台座の年号>
不明





 一対は、やや小型で低めの台座に設置されています。大宝神社型なのですが、ブロンズ製でピカピカしていており、メカゴジラのようにも見えます。阿形の鼻が長く、横から見るとライオンのような風貌で特徴的です。また、吽形には角がありますが、阿形にも角らしきものが頭の上にありました。よくよく見るとたてがみが立ち上がっているようです。

<設置されている場所>
拝殿の中

<台座の年号>
不明




 もう一対は拝殿の中にいました。網がかかっていてうまく撮影できませんでしたが、かなりの年期が入った木製の神殿狛犬です。サイズは神殿狛犬にしては大きく感じました。ややゴツゴツした印象ですが、かつて金箔が塗られていたのでしょうか。ところどころに金箔が残っています。吽形には角がありました。


<基本情報>
錦天満宮
京都府京都市中京区新京極通四条上ル中之町537


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<関連サイト>
◆「錦天満宮」(新京極商店街)
◆「錦天満宮」(Wikipedia)

2011年3月6日日曜日

【狛犬アルバム】深沢不動(東京都世田谷区深沢)


 2010年12月に近くを通りかかった際に偶然発見しました。鳥居も楼門もなく、交通量の多い交差点に面した場所にぽつんと一対の狛犬がたたずんでいるという、不思議なたたずまいでした。近くの医王寺という真言宗の寺に昔からあった不動堂がこの深沢不動のルーツとのこと。正式には深沢不動教会というようです。




<設置されている場所>
交差点に面した門の前

<台座の年号>
大正二年(1913年)

 台座は高く交差点を見下ろしています。作られたのは大正時代に入っていますが、渦を巻くような華麗なたてがみや尾が典型的な江戸唐獅子タイプ。阿形・吽形ともに子獅子を抱えており、親獅子の尾にじゃれつく仕草がかわいらしいです。吽形は玉獅子で大きめの鞠を持っています。前足にたてがみのような毛が生えていました。


<基本情報>
深沢不動教会
東京都世田谷区深沢6丁目1-1


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<関連サイト>
◆「世田谷区深沢界隈」(実りのとき)

2011年3月4日金曜日

【狛犬アルバム】豊橋素盞嗚神社(愛知県豊橋市中郷)


 豊橋は愛知県東部の東三河の中心都市です。2010年11月に訪問しました。豊橋駅からは徒歩で10分ほどです。ちなみに名古屋市など愛知県西部は尾張、岡崎市や豊田市など愛知県中部は西三河といいます。

<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
昭和4年(1929年)




 拝殿前に一対の狛犬がいます。台座には昭和4年(1929年)とありました。愛知県だけあって、いわゆる岡崎現代型と言われるタイプですが、昭和後期から平成にかけての岡崎現代型と比べると丁寧な作りのような気がします。阿形、吽形ともに丸みを帯びた口元がかわいらしいです。後ろから見ると、少し体をひねっていることがわかり、その体のひねりにあわせてバランスをとるような尾の流れも素晴らしいです。また、顔が大きく、前脚、後脚はやや小さめなのも、親しみのある印象を出しています。

<基本情報>
豊橋素盞嗚神社
愛知県豊橋市花田町中郷93


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【狛犬アルバム】洲崎神社(名古屋市中区栄)



<設置されている場所>
鳥居の前

<台座の年号>
明治三十六年

<訪問メモ>
 2010年11月に訪問しました。神社に向かうと、通りに面した鳥居の前に狛犬が一対います。高い台座から見下ろしています。互いに向かい合う姿勢で、首を少し曲げて顔は通りのほうに向いています。阿吽ともに巻き毛、体の側面には、渦巻きのような模様が刻まれていました。筋肉質というかむっちりとした足、大きな福耳のたれ耳も特徴的です。吽形は閉じた口が前に出ていて、少し面長に見えます。ちょっとオランウータンっぽい面持ちで、愛嬌がありますね。

 ちなみに洲崎神社は縁結びの願掛けで有名な神社とのこと。その他にも、境内には十二支の像があります。全部探してみるのも面白いかもしれません。

<基本情報>
洲崎神社
愛知県名古屋市中区栄1-31-25


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<関連サイト>
◆「洲崎神社」(Wikipedia)
◆「洲崎神社(すさきじんじゃ)」(夢結びの杜)

【狛犬アルバム】名古屋住吉神社(名古屋市熱田区新尾頭)



<設置されている場所>
拝殿の前

<台座の年号>
寛政元年(1789年)

<訪問メモ>
 2010年11月に訪問。名古屋最古の狛犬ということで、名古屋住吉神社を尋ねました。JR名古屋から電車で一駅、金山駅から10分ほど歩きます。この日は土曜日、住吉神社の方向にはどうやら場外馬券売り場があるようで、競馬新聞を持った中年男性が大勢いました。

 拝殿の前に、名古屋最古の狛犬がいます。台座には寛政元年九月(1789年)建立とあります。まず気づくのは横に平べったい顔と鼻です。江戸中期以前の狛犬にはよくある形です。前脚はほっそりとしていて、毛はありません。体つきも非常にシンプル。また、阿形、吽形ともにびっしりと歯が並んでいます。阿形の狛犬の頭には三本の溝があるようにも見えました。吽形の狛犬には角があります。これもよく見ると、前後に枝分かれしているように見えました。

 ちなみに、入り口にあった住吉神社の石碑には「名古屋城建設守護神」とあり、伝統ある神社のようですが、境内は雑然としていて、メンテナンス状態がよくないのが非常に残念でした……

<基本情報>
住吉神社
愛知県名古屋市熱田区新尾頭1丁目9-28


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<関連サイト>
◆「歴史探訪 『金山神社・住吉神社』(名古屋市熱田区)」(徒然日記 〜四十而不惑〜)