2013年9月8日日曜日

【狛犬アルバム】上野東照宮(東京都台東区上野公園)


 上野公園の狛犬巡りの最後は上野東照宮です。2013年9月に訪問しました。

<設置されている場所>
参道の途中

<台座の年号>
大正四年(1915年)




 多くの灯籠がびっしりと立ち並ぶ参道の先に、高い台座の上からの見下ろす大きなマッチョ狛犬がいました。

 大きくせり上がり、アンバランスなまでに発達した大胸筋はまるでボディービルダーのようです。威風堂々としたその体つきに似合わず顔は小さく、尻尾の大きさも控えめになっています。「日本全国獅子・狛犬ものがたり」(上杉千郷著)には、「神殿に置かれていた木彫狛犬の流れをくむ、堂々たる姿の石造狛犬」とありました。モデルになった狛犬がいたようです。

 以前訪れた際には社殿は修復工事中だったのですが、今回は工事は完了していました。初めて見た社殿は、東照宮だけあって豪華絢爛で、まばゆいばかりの金色に輝いていました。


<基本情報>
上野東照宮
東京都台東区上野公園9-88


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<関連サイト>
◆「上野東照宮」(公式ホームページ)
◆「上野東照宮」(Wikipedia)
◆「上野東照宮」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「上野公園の狛犬たち 3」(雨漏り書斎)

【狛犬アルバム】花園稲荷神社(東京都台東区上野公園)


 花園稲荷神社は五條天神社に隣接した小さな神社です。五條天神社の拝殿の右手にある階段を登るとあります。2013年9月に訪問しました。

<設置されている場所>
鳥居の前

<台座の年号>
宝暦三年(1753年)




上野公園の通りに面した鳥居の前にかなり古い狛犬がいました。台座は低く、ほぼ地面の上に設置されていました。横からみるとかえるのような姿勢をしてします。

 顔つきは独特で、横長の目、小さな鼻、びっしりと並んだ歯などから人面のように見えます。口元だけを見ると、犬のようです。あご髭やたて髪は分厚く彫られており、毛先は巻き毛になっていますが、肩の辺りからは厚みのない直毛の毛になっているなど、丁寧な彫り分けが見られます。また、後ろ脚には羽根のような毛が彫られています。尻尾は左右にではなく、前後にボリュームのある立ち尾になっているのも特徴です。

 体つきはつるんとしていますが、胸には三本の縦の筋で筋肉が表現されていました。また、後脚の間は彫られていませんでした。そして、前脚、後脚ともに独特の爪の形をしています。なにやら間接のようなものが見られて、人間の手足を参考にしたようでもあります。

 台座には綺麗な明朝体で「宝暦三年(1753年)」と彫られていました。この字体や鋭い彫りははじめ狛犬によく見られる様式です。


<基本情報>
花園稲荷神社
東京都台東区上野公園4-17


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<関連サイト>
◆「上野公園 花園稲荷神社(忍岡稲荷) - 御縁起」(公式ホームページ)
◆「花園稲荷神社」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「上野公園の狛犬たち 1」(雨漏り書斎)

【狛犬アルバム】五條天神社(東京都台東区上野公園)


 上野公園には動物園や博物館、美術館だけでなく、神社も多くあり、さまざまなタイプの狛犬がいることで有名です。上野公園の狛犬巡りのはじめに五條天神社を訪ねました。2013年9月に訪問しました。

<設置されている場所>
鳥居の先

<台座の年号>
大正十五年(1926年)




 大きな石造の鳥居をくぐるとその先に小ぶりな一対の江戸獅子タイプの狛犬がいました。阿形が子連れ、吽形が玉取りになっています。丸みを帯びた顔つきと分厚い唇と切れ長の目が特徴です。首はぐっと参道のほうを向いています。くるくるとしたたてがみの巻き毛が盛り上がっており、尻尾は真ん中分けになっていました。


<設置されている場所>
拝殿前

<製作年>
不明




 一対目の狛犬の先の階段を降りると、拝殿が見えて来ます。拝殿前の賽銭箱の向こうには柵があって進めませんでしたが、柵と拝殿の間に小ぶりなブロンズ狛犬がいました。

 この狛犬は大宝神社の木製狛犬がモデルと思われますが、かなり細身でしゅっとしています。前脚が長く、まるで小型の狩猟犬のようです。訪れた日はぱらぱらとした夕立ちがあり、夕陽を受けてきれいに輝いていました。


<基本情報>
五條天神社
東京都台東区上野公園4-17


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<関連サイト>
◆「上野公園 医薬祖神 五條天神社」(公式ホームページ)
◆「五條天神社(台東区)」(Wikipedia)
◆「五條天神社」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「上野公園の狛犬たち 2」(雨漏り書斎)