2011年7月31日日曜日

【狛犬アルバム】日光東照宮 その3(栃木県日光市山内)

 その2からの続きです。

<設置されている場所>
奥宮拝殿前の階段の下

<製作年>
寛永十八年〜十九年(1641年〜1642年)





 陽明門を抜けると、立派な拝殿があり、その前にある唐門の屋根の上に鉱獅子(かねのしし)がいるとのことでしたが、あいにく修復中のため、見ることができませんでした。その立派な姿は、「日光狛犬紀行」(WEB版狛犬の社)でご覧ください。

 そこから奥宮へと進みます(ちなみに奥宮に行くには、はじめから奥宮のついたチケットを買うか、ここで追加料金を払って進むかしないといけません)。杉並木の中を進んで行くと、奥宮にたどりつきます。そして奥宮の階段の左右にいるのが、関東最古の石造狛犬です。阿形は巻き毛で、吽形は直毛、角があります。ともにどっしりとした質感で、太い前脚が地面をぐっとつかみ、前方に睨みを利かせています。非常に力強い表情で、見事な作品です。


<設置されている場所>
鋳抜門の前

<製作年>
慶安三年(1650年)





 家康の墓となっている宝塔へと進む途中、ブロンズ製の見事な鋳抜門があり、その左右にもブロンズ製の狛犬が設置されています。この表情はまさに唐獅子というべきものですが、阿形は巻き毛、吽形は直毛、角ありなどの別があります。これもまた見事というほかありません。

 さらに宝塔の前には見事な鶴の像とともに、香炉が置かれており、その上にも獅子の姿を見ることができました。

<基本情報>
日光東照宮
栃木県日光市山内2301


大きな地図で見る

<関連サイト>
◆「日光東照宮ホームページ」(公式ホームページ)
◆「日光東照宮」(Wikipedia)
◆「日光狛犬紀行」(WEB版狛犬の社)

【狛犬アルバム】日光東照宮 その2(栃木県日光市山内)

 その1からの続きです。

<設置されている場所>
陽明門の手前の石柵の裏

<製作年>
寛永十三年(1636年)





 陽明門に向かう階段を昇ったところ、その左右の石柵の裏に獅子像が彫られています。柵を飛び越えたように見えることから、飛び越えの獅子と呼ばれています。これが思ったより大きく、尻尾の高さが私の肩のあたりまでありました。ただ、その存在に気づく人はほとんどいません、残念。石柵の柱と一体になって彫られているところが見事です。他の東照宮の狛犬が伝統的な獅子像に則っているのと比べると、やや異色な作品です。体つきは全体的に丸々としていて愛嬌があり、太い眉毛やギョロっとした目なども、素朴で庶民的な狛犬の雰囲気がします。ただ、向かって右側の像の前に木の柵があり、阿吽の彫り分けなどを確認することはできませんでした。


<設置されている場所>
陽明門の裏

<製作年>
寛永十三年(1636年)





 さて、その先にあるのが有名な陽明門です。この門にの裏側に木製狛犬が設置されています。表門裏の狛犬と同じような造りなのですが、ややこちらの狛犬の方が小振りで、スリム。顔つきもよりシャープで、肋骨が浮き出ているなど、より精悍な雰囲気です。



 そしてその陽明門に彫られている獅子鼻、獅子像も圧巻です。体は白く塗られ、金色の目が睨みを利かせています。顔の表情も獅子というより、想像上の怪物といった雰囲気がつよく、存在感が際立っていました。

 その3へ続きます。

<基本情報>
日光東照宮
栃木県日光市山内2301


大きな地図で見る

<関連サイト>
◆「日光東照宮ホームページ」(公式ホームページ)
◆「日光東照宮」(Wikipedia)
◆「日光狛犬紀行」(WEB版狛犬の社)
◆「飛び越えの獅子」(NIKKO JAPAN 世界遺産「日光の社寺」観光ガイド)
◆「東照宮陽明門」(NIKKO JAPAN 世界遺産「日光の社寺」観光ガイド)

【狛犬アルバム】日光東照宮 その1(栃木県日光市山内)

 2011年7月に初めて日光を訪問しました。見所の多い東照宮ですが、もちろん目当ては狛犬。見逃しのないよう、事前にリサーチして行ったのですが、唐門は修復工事中のため、屋根の上にいるという鉱獅子(かねのしし)は見ることができませんでした。

<設置されている場所>
表門の裏

<製作年>
寛永十三年(1636年)





 はじめに見ることが出来る狛犬は表門の裏にいます。表側には仁王像が、その裏側に狛犬が設置されています。木製狛犬で、ともに体は金色に塗られています。阿形の獅子は、毛は緑色で、たてがみは渦を巻いていて、伏せ耳。一方の吽形の狛犬は、毛は青、たてがみはゆるやかなカール、耳は横にピンと伸びていて、角が生えています。神殿狛犬によく見られる形です。

 現在は仁王像と狛犬が背中をあわせて門を守っていますが、明治の神仏分離の際に、仁王像は大猷院に移されたそうです。その後、明治30年になって、仁王像が戻ってきたとのこと。詳しいエピソードは、「東照宮表門」(NIKKO JAPAN 世界遺産「日光の社寺」観光ガイド)をご覧ください。



 左に進むと神厩舎があります。ここでは、有名な「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿を見ることができます。



 さらに進むと、御水舎があります。その左側には大きなブロンズの灯籠がありますが、この台座にも見事な獅子が彫られていました。この他にも東照宮にはかなりの数のブロンズ製の灯籠があるのですが、その多くに獅子が彫られていました。どれも見事というほかありません。

 その2へ続きます。

<基本情報>
日光東照宮
栃木県日光市山内2301


大きな地図で見る

<関連サイト>
◆「日光東照宮ホームページ」(公式ホームページ)
◆「日光東照宮」(Wikipedia)
◆「日光狛犬紀行」(WEB版狛犬の社)
◆「東照宮表門」(NIKKO JAPAN 世界遺産「日光の社寺」観光ガイド)