2011年8月20日土曜日

【狛犬アルバム】高良大社(福岡県久留米市御井町)

 高良大社は、久留米市にある高良山にある神社です。徒歩で行く場合は、西鉄久留米駅から信愛女学院行き御井町経由の1番か8番のバスに乗り、御井町で下車します。そこから歩いて15分ほどで登山道入り口の鳥居に到着します。その途中、車道沿いにいくつかの末社があります(「高樹神社」、「高良山愛宕神社」を参照してください)。登山道入り口の鳥居をくぐると、そこから急な石段が続きます。40分以上登ると高良大社にたどり着きます。山頂だけあって、市内が一望できる眺めのよさです。2011年8月に訪問しました。

 高良大社はかつての筑後国一の宮で、古い歴史を誇ります。また、社殿は江戸初期の権現造で、神社建築としては九州最大の大きさがあるとのことです。

<設置されている場所>
中門の前

<製作年>
寛暦十三年(1763年)





 中門の前に一対の石造狛犬がいました。サイズは大きく、台座を見ると寛暦十三年(1763年)の奉納とありました。顔が大きめですが、前脚や後脚は細く、そして尾も小ぶりです。尾は背面が平面になった状態で立ち上がっています。このタイプの尾は久留米でよく見るものでした。そして、背にはあばら骨がうかびあがっています。阿形は伏せ耳で角なし、吽形は立ち耳で角ありと彫り分けられています。たてがみの区別はないようです。

 尾やたてがみをよく見ると、かすかに朱に塗られた跡が残っていました。全体的な造形は素朴ですが、当時にしてはかなり立派なものだったことがわかります。

 三遊亭円丈師匠は、1700年代後半に作られたこのようなタイプのものを「久留米尾立」と分類しています。筑後地方だけでなく筑前(福岡市とその近郊)に見られる似たタイプのものは、この高良大社の狛犬をモデルにしたのではないかとのことです。

◆「狛犬カタログ全国の地方タイプ」(日本参道狛犬研究会ホームページ)


<基本情報>
高良大社
福岡県久留米市御井町1


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<関連サイト>
◆「筑後国一の宮 高良大社」(公式ホームページ)
◆「高良大社」(Wikipedia)
◆「狛犬カタログ全国の地方タイプ」(日本参道狛犬研究会ホームページ)
◆「高良大社」(神社探訪・狛犬見聞録)

【狛犬アルバム】高良山愛宕神社(福岡県久留米市御井町)

 こちらも高良大社に向かう途中に立ち寄った神社で、高良大社の数多い末社の一つです。2011年8月に訪問しました。こじんまりとした境内でしたが、歴史は長く、社殿は延宝八年(1660年)の伝統のあるものということです。

<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
文政元年(1818年)





 拝殿前の狛犬も文政元年(1818年)のものとかなり古いものです。中規模の大きさで、やや大きめの顔が特徴的です。たてがみの彫り、筋肉質な胸や前脚などが立派で肉感的でした。また、尾は立っていて、背面がフラットになっていました。この後に訪れた高良大社の狛犬(寛暦十三年(1763年))と比べると、かなり洗練されてきている感じがします。その古さからか、全身が緑色に変色しており(特に吽形)、いかにも山の中の神社の狛犬といった雰囲気でした。


<基本情報>
高良山愛宕神社
福岡県久留米市御井町297


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<関連サイト>
◆「高良大社 高良山案内図」(筑後国一の宮 高良大社)
◆「愛宕神社」(神社探訪・狛犬見聞録)

【狛犬アルバム】高樹神社(福岡県久留米市御井町)

 高良大社に向かう途中に立ち寄った小さな神社です。「高樹」と書いて「たかき」と呼びます。2011年8月に訪問しました。

<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
享保九年(1724年)





 ここは小さな神社にもかかわらず、とても多くのホームページで紹介されていました。それには二つの理由がありました。まず一つ目は、この神社の由緒に関わる興味深い伝承です。もともとこの山の山頂にいた神様が、高良の神に一夜の宿を貸したところ、高良の神が神籠石を築いて結界を張ったため山上に戻れなくなり、ここに鎮座することになったのだそうです。神様のクーデターといったところでしょうか。

◆「高樹神社/神々の交代劇を暗示する縁起」(ひもろぎ逍遥)
◆「高樹神社(福岡県久留米市)」(九州神社紀行−ブログ)

 もう一つは、ここの狛犬が筑後最古の参道狛犬だということです。台座によると享保九年(1724年)ということで、市指定民族文化財にも指定されています。このような小さな神社に、古い狛犬があるということは、この神社が大切にされてきていたということを物語っているような気がします。

 さて肝心の狛犬ですが、サイズは小さく、かなり磨耗してしまっているため、残念ながらその細かな彫りはよくわかりません。ただ、スタイルのバランスはよく、特に尾の彫りが立派でした。また丸みを帯びた体つきが子犬のようにも見えました。当時にしてはかなり立派な狛犬が奉納されたのではないでしょうか。

<基本情報>
高樹神社
福岡県久留米市御井町
※正確な住所はわかりませんでした


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<関連サイト>
◆「高良大社 近隣神社の紹介」(筑後国一の宮 高良大社)
◆「高樹神社/神々の交代劇を暗示する縁起」(ひもろぎ逍遥)
◆「高樹神社」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「高樹神社(福岡県久留米市)」(九州神社紀行−ブログ)

【狛犬アルバム】水天宮(福岡県久留米市瀬下町)

 水天宮は、JR久留米駅から約1km、筑後川沿いの高台にあります。安産、子授けの神様として有名で、全国にある水天宮の総本社です。ちなみに東京の日本橋蛎殻町にある水天宮は、第九代久留米藩主有馬頼徳が、文政元年に江戸の久留米藩屋敷内に分霊したものとのことです。ここには特徴的な五対の狛犬がいました。2011年8月に訪問しました。

<設置されている場所>
大鳥居の前

<製作年>
昭和五十年(1975年)





 まずはじめに出会うのは、大鳥居の前の狛犬です。櫛田神社の随身門の前のものと同じく、大宝神社の狛犬をモデルとしたタイプですが、かなり大型のブロンズ製狛犬です。手足が長いドーベルマンスタイルで、台座が高いこともあって迫力があります。阿吽が逆に設置されていました。台座によると、とある会社の五十周年記念に奉納されたもののようです。


<設置されている場所>
中門の前

<製作年>
明治二十八年(1895年)
※はっきりとは読み取れませんでした。





 大鳥居をくぐり、長い参道を歩くと、太鼓橋の先、中門の前に狛犬がいました。サイズはかなり大きいです。口元は博多狛犬によくみられるタイプで、吽形の前歯が下唇をかんでいます。阿吽ともに豚鼻、角張った顔、離れた目に大きく垂れた耳。地禄神社の狛犬と面影が似ている気もします。

 また、前脚、後脚に渦を巻いた走毛がありましたが、全体的に毛の彫り込みは少なく、尾の背面が平面になっています。これもまた筑後地方によく見られる特徴です(この後に訪れた、高良大社高良山愛宕神社をご覧ください)。


<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
不明





 拝殿前にいた狛犬は中くらいのサイズ。頭頂部が平で垂れ耳のところは、さきほどの中門前の狛犬に似ています。一方で、たてがみの巻き毛の彫り方、前脚を前後に少し開いた構え方、優雅な尾など全体的には大宝神社など鎌倉時代の木造狛犬をモデルにしたタイプに近い雰囲気です。福岡型と大宝神社型の完成度の高いハイブリッドタイプといったところでしょうか。


<設置されている場所>
拝殿の左奥にある末社 水神社

<製作年>
不明





 いました! 小さな肥前狛犬。私がはじめて出会ったはじめ狛犬です。肥前狛犬と呼ばれるタイプですが、非常に小さく、なんと可愛らしいのでしょう。全く獅子には見えず、そして犬でもありません。社寺の石工ではなく、庶民の石工が伝聞と想像だけで作ったのでしょう。その素朴さがまたいいです。

 腹の部分は彫られておらず、つながっています。阿吽の違いも口の開き方が少し違うことが辛うじてわかる程度です。たてがみは毛先だけがカールしています。そして、なぜか顔には横に縞模様が彫り込まれていて、鰐のようでもあります。プリミティブな魅力にあふれた狛犬です。


<設置されている場所>
境内左側の小鳥居の前

<製作年>
明治十一年(1878年)
※はっきりとは読み取れませんでした。





 水天宮最期の狛犬は、境内の左側から川の方へ降りる手前にある小さな鳥居の左右にいました。阿形は伏せ耳、吽形は立ち耳。吽阿形の口には玉が入っていますが、かなり磨耗してラグビーボールのような形状になっています。吽形は玉乗りで、やや大きめの玉の上に二本の前脚をかけた様子は尻尾を振りながら駆け寄ってくる子犬のようでかわいらしかったです。全体的に磨耗していましたが、完成度が高く、かなり洗練された狛犬でした。


<基本情報>
水天宮
福岡県久留米市瀬下町265


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<関連サイト>
◆「全国総本宮 水天宮 <安産・子どもの守り神様>」(公式ホームページ)
◆「水天宮 (久留米市)」(Wikipedia)
◆「久留米水天宮の狛犬たち」(狛犬写真館)
◆「水天宮(福岡)」(ぶらり寺社めぐり)
◆「久留米 水天宮(すいてんぐう)」(天空仙人)

【狛犬アルバム】住吉神社(福岡県福岡市博多区住吉)

 福岡市博多区にある住吉大社は、全国に数多くある住吉神社の中で最も古い神社だそうです(ただし総本社は大阪の住吉大社)。2011年8月に訪問しました。かつての筑前一之宮ということでJR博多駅に近い場所にもかかわらず広大な敷地は緑でいっぱいでした。境内にあった案内図によると、鎌倉時代には博多湾は住吉神社の前まで来ており、現在の天神あたりはその後徐々に埋め立てられていったんだそうです。

<設置されている場所>
随身門の前

<製作年>
明治四十四年(1911年)





 西門の大鳥居をくぐり大きな参道を進むと、随神門が見えてきます。その前に狛犬がいました。この狛犬はかなり苔むしており、雰囲気があります。サイズは中くらいですが、尾はふさふさとして立派。耳は大きめです。そして阿吽ともに大きな角があることが特徴的です。ややつぶれた感じの顔つきと、正面から見ると後脚を開いて座っている様子が、まるで蛙のようでかわいらしいですね。


<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
昭和三十九年(1964年)





 随神門の先の拝殿の前にも一対の狛犬がいました。タイプとしては岡崎古代型に近いのですが、より力強く、全身にゴツゴツと隆起した鎧のような筋肉をまとっています。全身のバランスとして顔がかなり大きく作られていることと、目つきに力があることから、かなり怖い顔に見えます。顔つきや石の色合いなどが、同じ福岡市の光雲神社の狛犬と似ている印象でした。


<基本情報>
住吉神社
福岡県福岡市博多区住吉3丁目1-51


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<関連サイト>
◆「【公式】福岡(博多)の筑前一之宮 住吉神社」(公式ホームページ)
◆「住吉神社 (福岡市)」(Wikipedia)
◆「住吉神社」(神社探訪・狛犬見聞録)

2011年8月14日日曜日

【狛犬アルバム】櫛田神社(福岡県福岡市博多区上川端町)

 毎年7月の博多祇園山笠で有名な櫛田神社には、飾り山笠だけでなく、素晴らしい狛犬がいました。2011年1月に訪問した際にいくつかの狛犬の見落としがあり、2011年8月に再訪しています。バラエティ豊かな狛犬が四対設置されており、二度訪れる価値のある神社でした。

<設置されている場所>
楼門の前

<製作年>
昭和四十九年(1974年)





 まず正面の神門の左右にはかなり大きなブロンズ製狛犬がいました。これがかなりの高さで、さらにドーベルマンやヒョウのような手足の長さと頭の小ささ。顔つきも獰猛な猫科の肉食獣といった表情でかなり格好いいです。台座も高く、上から見下ろす様はとても迫力があります。大宝神社型にさらに威圧感を増して発展させたようなタイプといえると思います。


<設置されている場所>
中神門の前

<製作年>
昭和十九年(1944年)





 先へ進むと、中神門の左右には石像狛犬がいました。このタイプは博多狛犬ですね。やや平面的で四角い顔つき。阿形が歯並びのよい前歯を出してニッと下唇を噛んでいます。阿吽の差は口くらいしかなく、尾はピンと立っています。このタイプにしては、サイズはやや大きめです。表面がざらついた感じに仕上げられているのが目をひきました。

 台座には「再興 石造狗犬 昭和十九年」とありました。戦時に供出されたブロンズ製狛犬の代わりに奉納されたもののようです。


<設置されている場所>
本殿の前

<製作年>
不明





 拝殿の中、本殿前の左右には漆塗りの神殿狛犬がいました。阿形の体と毛はともに赤、吽形は体が黒、毛が赤に塗り分けられています。手前の天狗の面と同じ塗り分けのようですね。ズームしきれずにはっきりと撮影することができませんでしたが(大きな写真は「櫛田神社」(神社探訪・狛犬見聞録)でご覧ください)、顔つきは獅子舞の獅子頭のような独特な顔つきをしていました。


<設置されている場所>
南神門の前

<製作年>
明治三十三年(1900年)





 拝殿の左手から南門を抜けると、ここにも一対狛犬がいました。これは今までに見たことのない独創的なタイプ。白い石材で彫られており、前脚にこぶのような鱗のような模様があります。阿吽ともに、たてがみや尾は華麗な巻き毛。顔つきも独特で棒状の太い眉毛に、団子鼻、その鼻の下から伸びる口ひげが細い線で表現されています。人間的で優しい顔つきです。

 また、阿吽の両方に角があるのも特徴的です。ただし、吽形は前後に二本、小さい角と大きな角に別れていました。




 境内には山笠の季節でなくとも、素晴らしい飾り山笠が展示されてます。また博多の歴史がわかる博多歴史館もありました。


<基本情報>
櫛田神社
福岡県福岡市博多区上川端町1-41


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<関連サイト>
◆「櫛田神社 (福岡市)」(Wikipedia)
◆「櫛田神社」(福岡・博多の観光案内サイト よかなび)
◆「櫛田神社の狛犬」(九州旅倶楽部)
◆「櫛田神社」(神社探訪・狛犬見聞録)

2011年8月13日土曜日

【狛犬アルバム】警固神社(福岡市中央区天神)

<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
平成三年(1991年)





 警固神社は西鉄福岡(天神)駅のすぐ横にある神社です。横にある警固公園は市民の憩いの場にもなっています。2009年12月と2011年8月に訪問しています。

 歴史も伝統もある神社なのですが、残念ながら狛犬はどこにでもいる岡崎現代型でした。狛犬と一体となった台座には平成三年(1991年)とありましたが、その下の台座をよく見ると文政十一年(1828年)とありました。平成に入ってからの改築時に新しいものに置き換えられてしまったようです。

 よく見る岡崎現代型ですが、この狛犬を見ていて一つ気づいたことがありました。阿形と吽形で微妙に鈴の形が異なるのです。よく見ると、阿形の鈴は縦に割れ目が入っていて、吽形の鈴には横に割れ目が入っていました。今後は鈴の形にも注目していきたいと思います。



 改築によって綺麗になった社殿や、掃除が行き届いた境内はよいのですが、木々が少なくややスカスカした感じが残念でした。天神という都心だからこそもう少し緑があってもいいのではないかと思いました。少しがっかりした帰りがけに、国体道路側にお稲荷さんを発見しました。そこにあったお稲荷さんの表情が二対ともにとてもユニークで可愛らしく、気持ちが和みました。


<基本情報>
警固神社
福岡県福岡市中央区天神2丁目2-20


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<関連サイト>
◆「警固神社」(公式ホームページ)
◆「警固神社」(Wikipedia)

【狛犬アルバム】若宮神社(福岡県福岡市中央区今泉)

 若宮神社は、福岡市の中心部天神の国体通り沿いに面している小さな神社です。都会の喧噪の中、ひっそりと、昔からそこにあるという雰囲気です。この神社には、古い二対の狛犬がいました。2009年の12月と2011年の8月の2回訪問しています。

<設置されている場所>
手水舎の手前

<製作年>
文久三年(1863年)






 手水舎の手前にある一対は、台座のサイズに対して狛犬が大きく、よく見ると尻尾が台座から飛び出していてリスのようです。後ろから見ると、絞り出したホイップクリームが五つに枝分かれしていて、かなり特徴的な形をしています。また大きく垂れた耳、ギザギザで犬歯のような前歯、眉が盛り上がって彫りが深い顔立ちなどかなり個性的。眉とたてがみはカールしていますが、頭頂部にも毛はなくて全体的につるんとしているのも、不思議な印象を与えています。

 今までに他では見たことのない、かなり個性的な狛犬に出会えました。


<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
文化八年(1811年)





 拝殿前の一対は小さく、台座も低く素朴な雰囲気です。かなりの摩耗が見られ、割れて修繕した後も多いです。白く汚れてしまっているのは残念ですが、こういった狛犬はできるだけ長く残しておいて欲しいですね。台座の年号は読み取れませんでしたが、どうやら文化八年(1811年)ではないかと推定されます。

 (写真ではわかりづらいのですが……)吽形は前歯が下唇を噛んでいるような表情になっていますが、これは福岡市内ではよく見かける様式です。これだけよく見かけるタイプなので、筑後地方でもよく見られるタイプではありますが、ここはひとつ博多狛犬と命名することにしましょう。


<基本情報>
若宮神社
福岡県福岡市中央区今泉1丁目19-17


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<関連サイト>
◆「若宮神社」(福岡市中央区)
◆「若宮神社」(神社探訪)

【狛犬アルバム】水鏡天満宮(福岡県福岡市中央区天神)

 福岡市の中心、天神のオフィス街のなかにひっそりとたたずむ水鏡天満宮は、菅原道真が京から太宰府に左遷される途中にその姿を水面に映したところと伝えられています。また、天神の地名はこの天満宮に由来するそうです。2011年8月に訪問しました。

<設置されている場所>
小門の前

<製作年>
昭和五十七年(1982年)





 狛犬は、牛像の後ろにたたずんでいます。赤銅色をしていますが、ブロンズ製の狛犬です。小ぶりなサイズながら、籠神社型の威風堂々としたものです。

 台座には、もとあった狛犬が第二次世界大戦中の金属供出され、これはかつてのものに似せて作り昭和五十七年に再奉納したものとありました。

 ちなみに、天満宮だけあって牛の石像が二対設置されていました。阿吽の別はありませんが、向かって左がつぶらな瞳、右がぱっちりとした瞳と、明らかに異なるように彫り分けられていて興味深かったです。


<基本情報>
水鏡天満宮
福岡県福岡市中央区天神1丁目15-4


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<関連サイト>
◆「水鏡天満宮」(Wikipedia)

【狛犬アルバム】日光二荒山神社中宮祠(栃木県日光市中宮祠)

 日光二荒山神社中宮祠は、中禅寺湖のほとりに建っており、男体山へのお参りの登山の出発地となっています。2011年7月に訪問しました。全部で三対の狛犬を見つけました。

<設置されている場所>
唐門の前

<製作年>
昭和四十七年(1972年)





 はじめの狛犬は唐門前にいましたが、これは残念ながら全国どこでも見られる岡崎古代型の狛犬でした。

<設置されている場所>
幣殿の左右

<製作年>
文政二年(1819年)





 拝殿の先を右に抜けると、拝殿と本殿をつなぐ幣殿の左右にも狛犬がいました。塀で邪魔をされてうまく撮影できませんでしたが、たてがみや尾の流れを見ると、優雅な江戸獅子タイプのようです。それでいて丸みを帯びた後ろ姿がかわいらしいです(製作年は、「二荒山神社中宮祠」(神社探訪・狛犬見聞録)を参考に記載しました)。


<設置されている場所>
登拝門の前

<製作年>
昭和四十三年(1968年)





 本殿の右を抜け階段をあがると、そこは男体山の山頂にある奥宮へ向かう登拝道の入り口です。ブロンズ製の立派な鳥居をくぐると、登拝門の前に素晴らしい狛犬を見つけました。

 昭和四十三年と比較的新しいものですが、既に大物の風格が漂っています。筋肉質で胸を張った姿は、岡崎現代型に似てはいますが、顔つきがなんとも独特で、眉間にしわを寄せたような厳しい目つきが怖いです。また、阿吽ともにピンと上を向いた大きな耳と顔のバランスが絶妙です。苔むして緑色を帯びているところから、スターウォーズのヨーダをほうふつとさせます。この年代のものにしては特徴があって、とても素晴らしい狛犬です。


<基本情報>
日光二荒山神社中宮祠
栃木県日光市中宮祠2484


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<関連サイト>
◆「日光二荒山神社」(公式ホームページ)
◆「日光二荒山神社」(Wikipedia)
◆「二荒山神社中宮祠」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「宇都宮・日光ルート狛犬探訪の旅6」(狛犬ネット)
◆「日光 二荒山神社中宮祠再訪」(Punkt und Linie ~神社仏閣巡りと旅の風景~)
◆「BECCANと日光! #4★日光二荒山神社中宮祠」(BECCAN blog)

2011年8月6日土曜日

【狛犬アルバム】日光二荒山神社(栃木県日光市山内)

 2011年7月に訪問。日光東照宮のお隣です。この神社の狛犬は、拝殿の賽銭箱の奥にひっそりたたずんでいました。

<設置されている場所>
拝殿の中

<製作年>
不明





 拝殿内は暗く、距離もあったためはっきりとはわかりませんでしたが、おそらくブロンズ製と思われます。サイズは小振りですが、たてがみや尾、前脚、後脚の爪など非常に丁寧な彫りで素晴らしいものでした。前脚とともに後脚にも巻き毛があります。また、吽形に角が生えていますが、よく見ると前後の二本に別れているようです。

 撮影に苦労して写真がぶれてしまい残念でした。また、制作年なども不明でした。

<基本情報>
日光二荒山神社
栃木県日光市山内2307


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<関連サイト>
◆「日光二荒山神社」(公式ホームページ)
◆「日光二荒山神社」(Wikipedia)
◆「こまいぬ 狛犬 komainu(栃木県の狛犬)」(関東、車で日帰り登山&立ち寄り湯)
◆「世界遺産「日光の社寺」 日光二荒山神社」(NIKKO JAPAN 世界遺産「日光の社寺」観光ガイド)