毎年7月の博多祇園山笠で有名な櫛田神社には、飾り山笠だけでなく、素晴らしい狛犬がいました。2011年1月に訪問した際にいくつかの狛犬の見落としがあり、2011年8月に再訪しています。バラエティ豊かな狛犬が四対設置されており、二度訪れる価値のある神社でした。
<設置されている場所>
楼門の前
<製作年>
昭和四十九年(1974年)
まず正面の神門の左右にはかなり大きなブロンズ製狛犬がいました。これがかなりの高さで、さらにドーベルマンやヒョウのような手足の長さと頭の小ささ。顔つきも獰猛な猫科の肉食獣といった表情でかなり格好いいです。台座も高く、上から見下ろす様はとても迫力があります。大宝神社型にさらに威圧感を増して発展させたようなタイプといえると思います。
<設置されている場所>
中神門の前
<製作年>
昭和十九年(1944年)
先へ進むと、中神門の左右には石像狛犬がいました。このタイプは博多狛犬ですね。やや平面的で四角い顔つき。阿形が歯並びのよい前歯を出してニッと下唇を噛んでいます。阿吽の差は口くらいしかなく、尾はピンと立っています。このタイプにしては、サイズはやや大きめです。表面がざらついた感じに仕上げられているのが目をひきました。
台座には「再興 石造狗犬 昭和十九年」とありました。戦時に供出されたブロンズ製狛犬の代わりに奉納されたもののようです。
<設置されている場所>
本殿の前
<製作年>
不明
拝殿の中、本殿前の左右には漆塗りの神殿狛犬がいました。阿形の体と毛はともに赤、吽形は体が黒、毛が赤に塗り分けられています。手前の天狗の面と同じ塗り分けのようですね。ズームしきれずにはっきりと撮影することができませんでしたが(大きな写真は「櫛田神社」(神社探訪・狛犬見聞録)でご覧ください)、顔つきは獅子舞の獅子頭のような独特な顔つきをしていました。
<設置されている場所>
南神門の前
<製作年>
明治三十三年(1900年)
拝殿の左手から南門を抜けると、ここにも一対狛犬がいました。これは今までに見たことのない独創的なタイプ。白い石材で彫られており、前脚にこぶのような鱗のような模様があります。阿吽ともに、たてがみや尾は華麗な巻き毛。顔つきも独特で棒状の太い眉毛に、団子鼻、その鼻の下から伸びる口ひげが細い線で表現されています。人間的で優しい顔つきです。
また、阿吽の両方に角があるのも特徴的です。ただし、吽形は前後に二本、小さい角と大きな角に別れていました。
境内には山笠の季節でなくとも、素晴らしい飾り山笠が展示されてます。また博多の歴史がわかる博多歴史館もありました。
<基本情報>
櫛田神社
福岡県福岡市博多区上川端町1-41
大きな地図で見る
<関連サイト>
◆「櫛田神社 (福岡市)」(Wikipedia)
◆「櫛田神社」(福岡・博多の観光案内サイト よかなび)
◆「櫛田神社の狛犬」(九州旅倶楽部)
◆「櫛田神社」(神社探訪・狛犬見聞録)