2011年8月13日土曜日

【狛犬アルバム】若宮神社(福岡県福岡市中央区今泉)

 若宮神社は、福岡市の中心部天神の国体通り沿いに面している小さな神社です。都会の喧噪の中、ひっそりと、昔からそこにあるという雰囲気です。この神社には、古い二対の狛犬がいました。2009年の12月と2011年の8月の2回訪問しています。

<設置されている場所>
手水舎の手前

<製作年>
文久三年(1863年)






 手水舎の手前にある一対は、台座のサイズに対して狛犬が大きく、よく見ると尻尾が台座から飛び出していてリスのようです。後ろから見ると、絞り出したホイップクリームが五つに枝分かれしていて、かなり特徴的な形をしています。また大きく垂れた耳、ギザギザで犬歯のような前歯、眉が盛り上がって彫りが深い顔立ちなどかなり個性的。眉とたてがみはカールしていますが、頭頂部にも毛はなくて全体的につるんとしているのも、不思議な印象を与えています。

 今までに他では見たことのない、かなり個性的な狛犬に出会えました。


<設置されている場所>
拝殿の前

<製作年>
文化八年(1811年)





 拝殿前の一対は小さく、台座も低く素朴な雰囲気です。かなりの摩耗が見られ、割れて修繕した後も多いです。白く汚れてしまっているのは残念ですが、こういった狛犬はできるだけ長く残しておいて欲しいですね。台座の年号は読み取れませんでしたが、どうやら文化八年(1811年)ではないかと推定されます。

 (写真ではわかりづらいのですが……)吽形は前歯が下唇を噛んでいるような表情になっていますが、これは福岡市内ではよく見かける様式です。これだけよく見かけるタイプなので、筑後地方でもよく見られるタイプではありますが、ここはひとつ博多狛犬と命名することにしましょう。


<基本情報>
若宮神社
福岡県福岡市中央区今泉1丁目19-17


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<関連サイト>
◆「若宮神社」(福岡市中央区)
◆「若宮神社」(神社探訪)