2013年5月25日土曜日

【狛犬アルバム】鎮宅霊符神社(奈良県奈良市陰陽町)


 東大寺、春日大社と奈良の歴史を堪能したところで、「ならまち」というエリアにある小さな神社をふらりと訪れました。

<設置されている場所>
拝殿の前

<台座の年号>
慶應三年(1867年)




 なんと笑顔の素敵な狛犬なんでしょう! 阿形はうひょーとった表情で口角を上げて喜び、吽形はにんまりと含み笑いをしているかのようです。mixiコミュニティでは「ひゃっほう狛犬」と名付けられたとのこと。まさにそのとおり。寄り目がちなギョロ目とまん丸のだんご鼻の愛らしいこと。前脚が細めで、参道側にやや前傾姿勢になっていたりと妙にアンバランスなのですが、それもまた可愛らしいのです。

 ちなみに、「鎮宅霊符」とは、家の安全を願うことためのおまじないを掛けたお札といった意味合いだそうす。そして、住所の「陰陽町」は「いんようちょう」と呼ぶようで、陰陽師と関係があるようです。

◆「鎮宅霊符神社」(神社参拝記) - 「鎮宅」とは、家・屋敷の安全を願うこと、そして家族の幸せを願うこと。鎮宅霊符神とは、霊符を使った呪法により家内安全を守護する神様なのだそうです。

◆「名所 鎮宅霊符神社」(ならまち情報サイト) - 1117年に創建されたこの神社は、陰陽師の鎮守の祭壇所でもありました。この辺りにも陰陽師が住んでいたことから、所在地は「陰陽(いんよう)町」と呼ばれています。

ちなみに、台座に「慶應三年」とあったので調べてみたところ、慶應というのは江戸幕府最後の年号で、慶應三年はなんと明治維新の前年でした。激動の年を翌年に控えたこの年に、こんな穏やかな表情の狛犬が造られていたとは・・・


<基本情報>
鎮宅霊符神社
奈良県奈良市陰陽町5


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<関連サイト>
◆「鎮宅霊符神社[再訪] ひゃっほう狛犬探索(Vol.3)」(久延毘古 独言 ―幽黙庵の囲炉裏端―) - 【石工 南都手貝 權兵ヱ】作の【ひゃっほう】兄弟狛犬さん もう少し探してみる価値はありそうです。
◆「ひゃっほう狛犬の作者「石工・南都手貝・権兵ヱ」を廻るあれこれ Vol.1 鹿畑素盞鳴神社〜佐紀釣殿神社」(久延毘古 独言 ―幽黙庵の囲炉裏端―) - 「ひゃっほう」の作者が「權兵ヱ」という南都手貝の石工であることがわかったのです。