2013年6月8日土曜日

【狛犬アルバム】花園神社(東京都新宿区新宿)


 花園神社は新宿ゴールデン街や歌舞伎町に近い、新宿のど真ん中にある神社です。境内には芸能関係の奉納が多いことで有名な芸能浅間神社もあります。2013年6月に訪問しました。

<設置されている場所>
明治通り側の大鳥居の前

<製作年>
昭和十一年(1936年)




 比較的新しい年代なのですが、伝統的な江戸獅子型の狛犬で、非常にしっかりした作りになっています。やや胴体が長めな点が特徴的です。昭和初期は護国型といわれる威風堂々とした狛犬が好まれていました。台座が高く見下ろすことでやや威圧的な雰囲気がなくもないですが、この時代にしては穏やかな雰囲気を持った狛犬です。


<設置されている場所>
ゴールデン街側の鳥居の前

<製作年>
延享二年(1745年)




 江戸中期のものということで後頭部や後脚などがかなり破損していましたが、これはなかなか貴重な狛犬です。いわゆるはじめ狛犬の分類に入るでしょう。ギョロ目で口元の表情などが面白い顔をしています。太いまゆ毛とぺったりと張りついたあご髭、尻尾は立っています(江戸後期以降の東京の狛犬は尾が横に流れるのが特徴です)。胴体に毛はないのですが、肩や膝、そして首もとの部分に渦巻きのような特徴的な模様が彫られています。阿吽ともに前歯は六本の臼歯と二本の犬歯があり、その間が空いているのも特徴です。


<設置されている場所>
靖国通り側の鳥居の前

<製作年>
文政四年(1821年)




 これは見事なブロンズ製狛犬です。ブロンズ狛犬は多く見ましたがこのような形ははじめてみました。かなり特徴的です。まず阿形の頭には宝珠が載っています。吽形には角があり、前後に割れており、ともに後ろ側に流れています。体には放射状の渦巻きのような不思議な模様が彫られていました。流れるようなたてがみは長く、背中にまで達しており、手首や足首付近にもふさふさとした毛が渦巻いています。尻尾も一度立ち上がったあとに、華麗に渦を巻き、そこからさらに上に立ち上がるというなんとも優雅なもの。

 顔の表情は唐獅子そのものです。威圧感のある表情、そして獰猛な肉食獣の牙の鋭い口元。前脚・後脚の爪も鋭く、がっちりと台座を掴んでいます。その台座もしめ縄が浮き彫りで彫られており、非常に立派なものでした。

 ただし、新宿区指定有形文化財に指定されているとのことで、檻に入った囚われの身になってしまったようです。歌舞伎町がすぐ近くということもあり、酔っぱらいにからまれて、傷つくこともありえるので、仕方ないのかもしれませんね。


<基本情報>
花園神社
東京都新宿区新宿5-17-3


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<関連サイト>
◆「東京新宿鎮座 花園神社」(公式ホームページ)
◆「花園神社」(Wikipedia)
◆「花園神社」(神社探訪・狛犬見聞録)
◆「花園神社の狛犬」(かしこみかしこみ)
◆「花園神社 (新宿区歌舞伎町)」(杜を訪ねて)