2011年2月23日水曜日

【狛犬アルバム】目黒不動尊 その3(東京都目黒区下目黒)



<設置されている場所>
階段の上、拝殿の前

<製作年>
承応三年(1654年)

<訪問メモ>
その2からの続きです

 階段を昇りきった所に設置されているのが、目黒不動尊の狛犬の中でも最も有名な江戸最古とされる狛犬です。江戸はじめといわれるタイプです。年号は台座ではなく、胸元に承応三年(1654年)と刻まれており、奉納者などの名前も見えます。また、腹の下が完全にくりぬかれていないのも、江戸はじめの特徴です。

 台座はかなり低いのですが、大きさは中くらいです。くっきりとした豚鼻とずらっと並んだ犬歯が特徴的な独特の顔つき、前脚は直線的ですが力強さも感じられます。阿形の口からは舌が出ています。また、頭頂部が月代(さかやき)のように剃られているようにも見えました。たてがみは阿吽とも同じようにカールしているのですが、前脚に生えている体毛は阿形は巻き毛、吽形は直毛と彫り分けられていました。また、正面から見るとわずかに首が参道のほうに傾いているのがわかります。このように職人の腕とこだわりが随所にうかがえるすばらしい完成度を持った作品です。

その4へ続きます

<基本情報>
目黒不動尊・瀧泉寺
東京都目黒区下目黒3丁目20-26


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<関連サイト>
◆「目黒不動尊」(公式ホームページ)
◆「瀧泉寺」(Wikipedia)
◆「関東名品江戸狛犬十対」(日本参道狛犬研究会ホームページ)