石工の町として知られる愛知・岡崎市で大正時代に確立したのが、岡崎現代型といわれる狛犬です。この岡崎現代型の生みの親であった石工がその作り方を岡崎の石工仲間に公開したため、その方法は日本全国に広まり、各地で同様の型が見られるようになっていきました。
その姿は、神殿狛犬の様式を現代風にアレンジしたもので、猫に近い顔の表情をしています。姿勢は蹲踞で、伏せ耳、顔の横のたてがみや尾の根元は瘤状になっているのですが、そのほかのたてがみは体に沿って華麗に流れているのが特徴です。現在、日本国内に建立される狛犬のほとんどは中国の石によって、中国の石工が造ったものですが、その中には岡崎現代型のものが多く見られます。
また、同じく岡崎の石工が昭和の初めに作り出した型に岡崎古代型があります(→「【狛犬の歴史】12-1. 大宝神社型(岡崎古代型)」参照)。ともに昭和に入り大量に生産され、各地で見ることができます。
岡崎現代型の狛犬 平成元年