2010年2月21日日曜日

【狛犬の仲間たち】1-3. 狐

■1-3. 狐
 おそらく狛犬についで最も見ることができるのは狐ではないでしょうか。阿吽で一対になっていたり、子取り、玉取りのものも多くあり、非常に狛犬に近い形式で置かれています。

 稲荷神社は稲作を中心とする穀物の五穀豊穣を司る神を祀っていますが、その神使であるのが狐とされています(江戸時代に入ると、稲荷神は商売の神ともされました)。その由来には諸説あるのですが、食物のことを御饌ともいうことから、「御饌津神」(みけつ)とも言われていたものが、これを「三狐神」と読み替えたところからともいわれています。日本古来からあった狐信仰がその根源にあるのかもしれません。

 狐は口に玉や巻物、鍵を加えているものが多くあります(鍵は前脚の下に抱えていたりもします)。玉は神霊や富や財宝、巻物はご神徳が書かれたもの、鍵は宝箱あるいは蔵を開くものと解釈されていますが、これも詳しいことははっきりしていないようです。

◆「狐 キツネ(1)  農耕・食物神の狐…神道系稲荷のキツネ」(神使の館) - 狐像の写真。伏見稲荷大社など。