■8-8. 出雲型(かまえ型)
出雲地方では、後ろ脚を跳ね上げたり、腰を大きく浮かし前脚をかがめ、今にも飛びかかろうとする躍動的な狛犬が作られました。これを出雲型(かまえ型)といいます。天明年間(1781年〜1788年)になって生産が始まると、江戸時代末期から明治、大正にかけて大量に造られました。出雲型は北前船によって、北海道の日本海沿岸や、東北・北陸などの地方に多くの狛犬が運ばれ、今でも日本海沿岸では多くの出雲型が見られます。松江の宍道湖畔でしか取れない来待石という柔らかい砂岩で造られているため、自由な造形が可能となりました。しかしその分、風化、摩耗しやすく、古いものはほとんど形が崩れてしまっています。