■1-1. 狼
狼は、「大神」に通じることからもわかるように、様々な神使の中で最も神に近いものとされています。神格化された狼は古来より「大口之真神」(おおくちのまかみ)という神名で呼ばれています。狼信仰で有名なのは東京・奥多摩や埼玉・秩父地方です。この地域では、猪などの動物から田畑を守り、山火事を遠吠えで知らせる狼は「お犬さま」と呼ばれ、信仰の対象となってきました。
狼像と狐像の違いは、浮き上がったあばら骨、二本の牙、足先の爪などで見分けることもできますが、狐とほとんど区別がつかないものも多くあります。ちなみに、ヤマイヌ(山犬)とオオカミ(狼)とは、別の動物とされる場合もありますが、現在では同一の動物と考える説が有力のようです。
◆「狼-(1) オオカミ 日本武尊(お犬さま信仰)のオオカミ」(神使の館)
◆「オオカミ像「あらかると」」(神使の館) - 多くの狼像の写真。
◆「狼-(6) 秩父・武蔵の オオカミ風にされた和犬」(神使の館) - 和犬像が狼像風になっている。