2010年2月14日日曜日

【狛犬の歴史】14. 昭和(戦後)・平成の狛犬

■14. 昭和(戦後)・平成の狛犬
 戦中・戦後の混乱期に狛犬の奉納は激減しましたが、戦後復興を果たした昭和三五年頃から徐々に狛犬の奉納が増え始めました。しかし。この時期の約二十年間のブランクによって多くの石工職人の伝統が途絶えてしまいました。昭和四十年代になると機械化が進みましたが、彫った部分が少なくなり、削って仕上げる工法が主流になっていきました。この時代に多く奉納されたのが、岡崎古代型や、岡崎現代型と呼ばれる型です((→「【狛犬の歴史】12-1. 大宝神社型(岡崎古代型)」、「【狛犬の歴史】13. 岡崎石工と狛犬」参照)。

 平成期になると、古くからの狛犬が摩耗や破損によって新しい狛犬に取り替えられる神社が増えてきています。その多くが日本向けに中国で大量生産され、商社を通して国内の石材店への輸入されたものです。中国製狛犬の多くは、工業用ダイヤモンドなどの電動工具によって造られており、石工の繊細な彫りを見ることは出来ません。ただし、近年それらの中には中国石工によって彫られたと思われるもあり、岡崎古代型とも岡崎現代型ともやや異なる独自の型も見られるようになってきているようです。