神社や寺院の門や本堂などで、上を見上げると、木で彫られた獅子の姿を見つけることがあります。これを木鼻といいます。木鼻とは、縦の柱を横から貫いて出た柱(頭貫といいます、かしらぬき)の端の部分にほどこされた装飾のことです。木鼻には、雲や植物といったものから、象、獏、龍、獅子といった動物まで様々な形があり、その中でも獅子のものを獅子鼻と呼びます。木鼻はもともとは縦木から突き出た部分を彫刻したものでしたが、室町時代になると、別の木で掘ったものを取り付けるようになり、今日見ることの出来る装飾性に富んだ木鼻があらわれるようになりました。獅子鼻の中にも狛犬と同様に様々な表情のものを見ることができます。
京都府京都市下京区烏丸通七条上ル 東本願寺
御影堂門の獅子鼻
◆「斗□・蟇股・木鼻のお話」(奈良の名刹寺院の紹介・仏教文化財の解説など) - 「木 鼻(きばな)」の項。 ※□は木へんに共。