2010年2月14日日曜日

【狛犬豆知識】4. 狛犬と角

■4. 狛犬と角
 狛犬には角があるものがありますが、これは古くからの獅子・狛犬の様式に基づいたものです。平安時代に書かれた『類聚雑要抄』という書物には、「(天皇から見て)左の獅子は黄色(金色)で口を開けていて、右の狛犬色は白く(銀色)口を閉じており角がある」と書かれています。角の形状は、一本の角の場合もあれば、前後に枝分かれしたようなものもあります。それではなぜ、狛犬は角を持つとされたのでしょうか。

 古代オリエントから中国に伝わった際には獅子に角はありませんでした。しかし、中国から日本に唐獅子が伝えられた際に、一方は中国の霊獣である獅子、一方は「異国の獣」であり想像上の動物である狛犬とされました(→「【狛犬豆知識】3. 狛犬の左右」参照)。こうして、狛犬は獅子とは違う獣とされ、頭に一角を載せて獅子と区別されたと考えられています。角を持った狛犬のモデルとしてはサイが原型とされる「ジ」(縁起のよいものとされていた)ではないかとも、中国の想像上の怪獣である「カイチ」(人の正邪を見分け邪悪を祓うものとされていた)ではないかとも言われているようです(上杉千郷氏)。

◆「カイチ」(Wikipedia)

 やがて、獅子・狛犬の区別が曖昧となり、角を持った狛犬が造られることは少なくなっていきました。しかし、江戸時代になっても獅子・狛犬の様式が踏襲された関西の狛犬や、また明治時代以降に伝統的な木造狛犬を模して造られた狛犬には角のあるものが多く見られます。